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・ 大名にとって、 領国は「 預かり物」/ 私物化は許されない「 公儀」の田地・ 百姓にとって、「 公儀」 の田地を村共同で耕作/ 土地緊縛の原則のもと、「 共同的所持」の観念を保持 本書はその成功のメカニズムの解明を試みた本格的な研究書であるが,閉鎖的な業界用語に安住せず,さらに専門家以外の一般読者にも通じる開かれた議論をめざしている。 なお,本書については,すでに近世史や農業経済学など識者の書評が物されている。 江戸時代の農民の土地はほぼ私有である、近代法でいう土地私有権と同じである、としている。 その場合の論拠となるのは、これは一般的には当然のことであるが、秀吉の太閤検地において、農民の土地の所有権を保障した。 つまり、検地帳に登録した農民が土地を所有していることを明確にして、それに対する給人の土地というか、つまり、領主の領地を分離したということから始まっているとする。 また、例の有名な寛永二十年（1643）の田畑永代売御仕置き＝「田畑永代売買禁止令」は、その前の寛永十八年（1261）、十九年の全国的な飢饉によって、農民が土地を手放して、離村してしまうことを防止するための措置である。

税台帳としての検地帳が民衆の土地帳簿としての意味をもった。この点は、他の東アジア小農社会では、見られない特徴なのではなかろうか。それはそれぞれの地域 江戸時代の日本について、鎖国によって孤立し停滞した封建制社会であったと受け止める傾向がある。 また、農民や町人は、厳しい身分制度でがんじがらめの支配を受けていたと信じられがちである。 しかし村々に残る資料をみて歩くと、この時代の百姓たちは自ら所有する土地を耕しながら布や酒をつくって店をひらき、さらには寄合の協議で村の運営を動かすこともあったことなどが分かってくる。 江戸時代はむしろ、元気な百姓が主役の、近代的な前期資本主義社会だったのだ。 支配者史観を覆し、庶民の視点から江戸時代の歴史を読みなおす。 江戸時代には、農地に対する所有権は二重の構造をもっていた。 これを封建的土地所有制度という。 それは、領主のもつ完全な所有（領主的土地所有）と、生産者の不完全な所有（農民的土地所有）の二つであった。 だから、農民が田畑をもつことは、「所持」といっても「所有」とはいわなかった。 それをこの布告では、農民の完全な所有権を確認し、領主のもっていた領主的所有権を否認したのであった。

江戸時代は、領主のものの様であり、大百姓のものの様でもありました。 前近代社会ははっきりとした所有権がありませんでした。 明治の廃藩置県と地租改正が武士から所有権を一元化し、農作物に年貢を掛けるのではなく、それまで無税だった、土地にも税金を現金で支払わせる事により、所有権がはっきりしました。 この場合の豪農は地主であり、村役人かどうかは関係ありません。 江戸時代なら村の大百姓が村役人を務め、村の年貢の取り立てを行いましたが、地方により下級武士が村役人を務めるところもあります。 明治になると村役場と公務員としての役人が置かれました。 私の何代も前の人たちです。 藩の古文書に姓名は出てくるのですが、何をしていた人だったのかが判然としません。 配偶者や養子はすべて武士であり、士族でした。

従来の、武士を中心とした「日本近世史」の史観に異議を唱え、当時の一般庶民である百姓こそが時代の主役であったという視点を、村々に残る史料をひもときながら主張しつづけている。 江戸時代の全国の 村 の数から、平均的な村の 石高 、 面積 、 人口 は？ という素朴な疑問から、家を守るのが百姓たちの生き甲斐――則ち家名・家業・家産を守る 男性家長 の役割など、懇切丁寧にわかりやすく解説。 江戸時代の村は、大名や旗本、幕府、寺社などの領主によって治められていましたが、村請制により、領主は村単位で農民を統治していました。 村請制とは、年貢完納の義務、行政業務、管理業務、領主法令の順守などを村が下請けする制度です。

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